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サイレントデバッガーズ 音で敵を感知するという独特のシステムを採用した3Dガンシューティング。PCエンジンオリジナルで、宇宙ステーションを舞台にしたこのSFゲームのウリは何と言っても先に書いた音、正確に言うと「警告のアラーム音」が生み出す緊迫感にある。敵が近付いてくると警告音が微かに鳴り始め、敵が接近するに連れて音がどんどん大きくなっていく。プレイヤーはその警告音と画面の色の変化を頼りに敵を迎え撃つ訳だが、この鳴り止まないアラーム音が想像以上に恐怖感を煽る事となる。音が鳴り響いている時の緊張感は筆舌に尽くし難く、このゲームからヒントを得て飯野賢治が「エネミーゼロ」を生み出したと言われているのも納得である。また、クリアまでの時間制限(100分)が設けられている為、常にプレッシャーを感じながらのプレイとなり、慎重すぎるプレイも許されない。その上、フロアにはプレイヤーが敵の侵入を阻止しなければならないエリアまで設けられており、常にその危険性を頭に入れながらの冒険になり(当然マップは頭に叩き込んでおく必要がある)クリアまでの間、一瞬たりとも気が抜けないゲームになっている。クリア時の精神的疲労は推して知るべしである。とはいえ、ライフ制を採用している事を始め、敵との対決は基本的にヒット&アウェイで何とかなるレベルだったり、ステージが進んでもフロアの構造自体が劇的に変わる訳ではなかったりと、バランス調整にも気を遣っているので、決して難し過ぎる訳ではない。実に奥の深いゲームなのである。なお、制作者側は続編を制作する気だったらしく(最後には「TO
BE
CONTINUED」の文字が)ラストで突然謎の女性が出て来て何の説明もなく仲間になったところで物語は終わってしまう。それは兎も角、Huカードでもアイデアとそれを具現化する技術力があれば、ここまで完成度の高いゲームを作れるという事を証明したソフトなので、PCエンジンユーザーなら必ずプレイしてもらいたい作品である。 スーパーダライアス PCエンジンのCD-ROM2シューティングとしては群を抜いた完成度とクオリティを誇る名作である。何がそこまで評価されているかと言えば、やはりアーケードからの移植作にも関わらず本家と同等、もしくはそれ以上の作品に仕上げた事であろう。アーケード版「ダライアス」は3画面筐体を駆使していたとあって、PCエンジンに移植してゲームをテレビ画面で再現するとなると視覚で感じる差異は勿論、プレイ感覚やゲームバランスなどを慎重に調整する必要がある訳だが、本作では敵の出現する位置やタイミングをアーケード版で覚えていれば、ほぼそのままの感覚でプレイ出来る(例えばBGMで敵の出現するタイミングを記憶していても大丈夫)レベルにまで持ってきた。まさに奇跡とも言える職人芸である。ゲームは御存知の通り、3色のカプセルを取って各ステータスを3段階にパワーアップさせていくタイプの横スクロールSTGで、自分でルートを選択してクリアを目指す自由度の高い内容になっているのだが、PCエンジン版ではアーケード版より多い26体ものボスが登場し、多重スクロールまで再現されているというおまけ付き。しかも、あの軽妙なZUNTATAサウンドもほぼ完全に再現されている上、アーケード版と同じくドルビーサラウンド対応というから、もう文句の付けようが無い。1画面になった為にボスの弾が避け難くなったとか、2段階目のレーザーが極端に使い勝手が悪いとか、ミスをしたら裸一貫に戻るので1機死んだらそれで終りだとか、細かい部分での問題点はあるものの、それは贅沢というもの。裏技では海洋生物をモチーフとした個性豊かなボスと戦う続ける「26体、戦えますか?」モードをプレイする事も出来るまさに至れり尽くせりの本作、プレイしていないのは人生の何%かを損しているとさえ言える程のゲームである。 STARパロジャー 名前から分かるようにハドソンによる「スターソルジャー」のセルフパロディゲームである。開発は「スーパースターソルジャー」と同じカネコなので、お笑いソフトながらも非常に高いクオリティを誇っている。ゲーム内容は自機としてPCエンジン・ボンバーマン・パロシーザー(ネオシーザーのパロディ)が用意されており、夫々に使えるオプション&ボムが違えばパワーアップアイテムも異なり(PCエンジンはHuカード型・ボンバーマンはボムパネル・パロシーザーはクリスタルを取り続ける事で装備がパワーアップする)通常装備による攻撃方法も多種多彩。PCエンジンの周りをオプションのコントローラーパッドがグルグル回る姿やボンバーマンが爆弾をばらまく姿は何とも胸躍る光景で、1本で3度美味しい作品である。ハドソンシューティングに登場したボスのパロディバージョンを中心に敵キャラクターのデザイン及び攻撃方法にもなかなか趣向が凝らされており、特に黒ボンとの対決はPCエンジンシューティング史上最もユニークなバトルではないだろうか。当然、STG本編の完成度も高く、低めに調節された難易度・バラエティ豊かなステージの仕掛け・ノリの良いサウンド・カッコ良いオープニングといった様々な要素が絶妙なバランスでミックスされている。また、多重スクロールやリアルタイム拡大といったPCエンジンの限界に挑んだ演出を始め、巨大船のウェーブ移動や水中の揺らぎの表現など、技術面でも見るべき点が多く、まさに文句の付けようの無い完璧な作品。画面もカラフルでお笑い面のしつこさも無いので、女の子からゲームマニアまで全ての人に自信を持ってお薦めできるソフトである。余談だが、久川綾の声が非常に心地よいというのもこの作品の特徴の一つ。 マジカルチェイス 初期出荷本数の少なさと発売元の倒産という理由でレトロゲームブームが起こる前から割と高めの価格で取引され、ユーザーの熱い要望により「PCエンジンFAN」誌(徳間書店)から再販もされたという異色の横スクロールシューティングゲーム。拡大・縮小・多重スクロールといったPCエンジンでは難しいとされていた演出手法を難なく実現して見せたそのずば抜けた技術力は当時のPCエンジンユーザーの度肝を抜き、優れた操作感と絶妙に調整されたゲームバランスはユーザーの心をガッチリ掴んだ。だが、このソフトがこれ程までにPCエンジンユーザーに支持されているのは、そのドラマティックな運命や技術力の高さだけではなく、ゲームからガンガン伝わってくる開発者達の作品に対する制作意欲や拘りによるところが大きい筈。開発を行ったのはのはクエスト、後に「オウガバトル」を制作する技術者集団である。また、世界観に合ったカラフルで楽しいステージ構成やポップなサウンド、どこか憎めないユニークな敵キャラとその攻撃方法などにも制作者達の熱い思いが詰まっており、まさに愛の結晶と呼ぶに相応しい名作と言えよう。レトロゲームの世界に於てプレミア価格の付いているソフトでその値段分の内容が詰まっている作品にはなかなかお目に掛かれないものだが、このゲームこそがその希有な例。1万円前後の出費を惜しむと将来必ず後悔する事になるだろう。 |