PCエンジン狂の詩 > 大霊院卍党認定の優良遺産 > シューティングゲーム
1941 カウンターアタック アーケードで有名なシューティングシリーズのPCエンジン版。スーパーグラフィックス専用ソフトの為にプレイした事のある人は少ないであろうが、全体的によく纏まっているゲームである。まず、バイタリティ制を採用している事が必然的に難易度を低くしているのだが、その分ボムを使うにはバイタリティを1つ必要とするシステムを採用しているので、決して力押しでクリアできる軟弱ゲームにはなっていない。また、「1943改」と違って破壊率はクリアに関係ないので、自分の思い通りのプレイスタイルでゲームを楽しむ事が出来る。全体的にオーソドックスな作りではあるが、決して退屈しない上に操作感も抜群なので誰にでもお薦めできる一本である。高価なSG専用ソフトというだけあって、2人同時プレイが可能で、沢山の敵機&敵弾が出現しても画面が全くちらつかない点も見所の一つ。同じSG専用ソフト「オルディネス」は技術・創作意欲ともに高かったのだが、難易度の高さが最大の問題点だったで、それを教訓にした上で本作の完成度の高さがあるのかも知れない。 ウィンズ オブ
サンダー 本作は鎧を纏った主人公が空を飛ぶといった独特の雰囲気を持つ横スクロールSTGである。ゲーム本編の出来の良さも然る事ながら本作を語る上で欠かす事が出来ないのが絶妙にゲームとマッチした音楽。前作「ゲート・オブ・サンダー」のノリの良いロック調のBGMも良かったが、総合的に見ればこちらの方が上かも知れない。ゲームに於てサウンドが如何に大きな役割を果たしているかを再認識させてくれる作品である。また、ゲーム本編の方は前作と異なり、買い物によってパワーアップするシステム及びライフ制を採用しているので、STGが苦手な人でも有る程度力押しで前に進めるようになっている。しかし、全体を通しての難易度は前作譲りであり(最初からザコが強い)被弾するとライフどころかウエポンレベルまでも下がっていく辺りはかなり窮屈な印象を受ける。また、ボスがザコに比べて幾分弱く感じられる点と自機の当たり判定が大きくて判断が難しいという点も少し気になるところ。それでも、鎧の効果を使い分けるシステムは斬新で面白いので(個人的には地面の敵も片付けてくれる「地の鎧」がお薦め)音楽目当てに買ってみるのも悪くないと思う。あと、ゲーム本編とは何の関係も無いのだが、買い物時に店員が発する「いらっしゃいませ」という声が妙に色っぽいのも気になるところ。 エアロブラスターズ アーケードで人気のあった「エアバスター」をPCエンジンに移植したのがこの作品。スピード感や多重スクロールなどは業務用に迫る出来栄えである。操作性も良く、バランス調整も絶妙で、まさに文句なしの移植度である。直球勝負の横スクロールSTGの為、多少オリジナリティに欠けるきらいもあるが、ボムが溜め打ちで(ショットボタンと別のボタンで溜める)使用制限無しという辺りの親切設計もSTGが苦手な人には有り難い限り。2人同時プレイ時に協力して使える強力な必殺技「スーパーブラスターフラッシュ」と「ブラスターサンダーアタック」はアーケード版には無かったもので、PCオリジナルの趣向なのだが、2人同時プレイ時にはどうしても狙いにいってしまう魅力がある。ややマイナーではあるが、家庭用のSTGゲームとしての完成度が抜群に高い作品である。 オーダイン 「ダライアス」と「ファンタジーゾーン」を足して2で割ったようなゲーム。2人同時プレイが可能なのもミソ。難易度は低めに設定されており(買い物してパワーアップするゲームは難易度が低くなる傾向がある)誰にでも簡単にプレイ出来るようになっている。技術的にもぬかりはなく、縮小や回転も上手く処理されており、業務用と見比べても見劣りしない出来である。ただ、お金を払ってWEAPONを買っても時間制の為、すぐにパワーダウン(通常弾になってしまう)するのは家庭用のSTGとしては少しケチ臭い気がするが、それを加味した上でバランスが調整されているので、ストレスが溜まるという程の問題点ではない。ちなみに「オーダイン」とは自分の乗る戦闘機の名前でも舞台となる世界の名前でもなく、主人公の博士が開発した原子力変換装置の名前だったりする。 オーバーライド 極力余分な要素を省き、STGの面白さを前面に押し出した良作。オーソドックスな縦スクロールSTGで、基本的に使用するボタンは1つのみ。デコ独特の怪しさは微塵も感じられないのでデコファンの人はちょっとガッカリだが、中身は実にしっかりしている。パワーアップは主にオプション強化によって行い、5色に変化するカプセルを取り分ける事でオプションは攻撃形態を変え、同色のカプセルを取り続けることにより4段階まで強化する事が可能。このゲームが非常に親切なのは途中で別の色のカプセルを取っても、また元の色のカプセル取り直すことで元のオプションは途中の段階からパワーアップされるという点で、存分に攻撃のバリエーションを楽しむことが出来る。また、一定時間弾を撃たないでいると“プールショット”という圧倒的破壊力を持った攻撃が可能となる。このプールショット、敵弾を消してくれる上、攻撃時間も長いのでボス戦では非常に重宝することになる。このプールショットの豪快さを除けば音楽も大人しめで、全体的に派手さはないものの、逆にクセもなく、難易度も低めに設定されているので誰でも気軽にプレイできるし、さりげなく多重スクロールを実現するなど、技術面も文句なしなので硬派なシューターにもお薦め。 オペレーション・ウルフ PCエンジンで唯一の3Dガンシューティングゲーム。プレイヤーはアメリカに雇われた傭兵となり、捕虜を救出するために単身敵地に乗り込む。ゲームスタイルは画面内に次々現われる敵兵を撃ち殺していくという現在でも最もポピュラー形式で、時折出現するアイテムもマシンガンで撃つ事によってゲットできる。ゲームバランスも良く、操作性も良好。非常によく纏まっているという印象を受ける。ただ、難点はマシンガンの弾薬補給をアイテムによって行うという点である。当然ながらアイテム自分の思惑通り出現するものではなく、コンピューター側に委ねられている為、弾を景気良くガンガン撃つ事が出来ないのだ。アイテムの出現ポイントを頭に入れ、弾薬の残数を気にしながらでは、なかなかゲーム本来の楽しさを味わえないと思うのは筆者だけだろうか…。制作者側は弾薬をフリーにしないという事でリアルなスリル感を表現しようとしたのだろうが、どうも裏目に出てしまったような気がしてならない。家庭用ゲームに於て爽快感が無ければ、どうしても単調さばかりが目につく結果となる。とは言うものの、それら全てを頭に叩き込んだ上でプレイした場合、全体としての完成度の高さは大したものなので、この手のゲームが好きな人にはお薦めである。 キアイダン00 今でこそスーパーロボット作品をパクったようなソフトは山のように発売されているが、このソフトが発売された頃にはこのようなロボットを主人公にして作品の雰囲気を楽しむSTGは殆ど存在しなかった。純粋にSTGゲームとして見た場合、作りは少々粗いように感じるのだが、そこに目くじらを立てても仕方がないタイプのゲームなのである。何でもそうだと思うが、その分野を開拓したものを後から見るとそれほど大した作品に見えない事が屡々ある。しかし、その革命的な作品の功績というものは単純にその上辺の出来栄えだけで測る事は出来ない。そのアイデアや制作意図に価値があるという訳である。このソフトにもそういった制作者側の意欲が沢山詰まっている。数多くのキアイダンの武器(ゲーム中に使い分けられる)を始め、ボス戦におけるラストはキアイ弾によるトドメが必要とされるシステム、長浜アニメを彷彿させる設定とストーリー、あと忘れてはならないのがノリの良いオープニングテーマ…アニメオタクがこういった要素に弱い事を完全に見越した作りである。先にも書いた通りSTG部分に特筆すべき面は殆ど存在しないのだが、STGファンとは全く違ったユーザーの心を掴んだのは見事。それ故、オタクを中心にシリーズ化が期待されたのだが、PCエンジンユーザーの期待を一身に浴びてリリースされた「スナッチャー」と「銀河お嬢様伝説ユナ」と同じ発売日だった為、敢え無く撃沈。個人的にはより一層洗練された続編が見たかったのだが…。 銀河婦警伝説サファイア 明貴美加デザインの女性キャラが沢山登場するSTGゲームだが、その軟弱な雰囲気とは対照的に中身は硬派で、出来の方も上々。アーケードカード専用ソフトだけあって、スムーズに変形するポリゴンで表現された(リアルタイムで処理して動かしている訳ではないらしいが)ボスや多数に分裂するザコなどが、実に見事に表現されている。ハドソン最後のシューティングゲームだけあって、操作性もゲームバランスも実に良好。敢えて文句を付けるとすれば全体的に正直すぎる作りであるという事ぐらい。自機のパワーアップにしろボムの扱いにしろ全てが正直すぎて、何一つとして目新しい点がない。それでもアイデア先行の変なシステムを下手に採用してゲームバランスを崩す愚行(例えば「はにいいんざすかい」の360度発射可能のシステムは全く使えない)よりは遥かに素晴らしいのだが、クリア後にどこか物足りなさを感じるのは事実である。また、キャラデザに明貴美加を起用しているにも関わらずキャラ自体が全く立っていない為、盛り上がりにも欠けるし、唐突な展開を見せるストーリーもイマイチ。技術的には目を見張るものがあるだけに、ユーザーを楽しませるというエンターテインメントとしての部分にももう少し目を向けてもらいたかった。 サイキック・ストーム 電源を入れてすぐ流れるショボイビジュアル、ショボイBGM、ショボイ声優の演技、そして「日本テレネット」の文字…PCエンジンで長年遊んでいる人なら即刻RUN・SELECTボタンを同時押ししてしまうであろう。しかし、ヤバイ臭いがするこのソフト、プレイしてみるとその出来の良さに驚愕する事となる。ゲームスタイルはライフ制の縦シューティングで、2人プレイも可能。コンティニュー後も武器レベルが下がらないといった親切設計で難易度も調整にも抜かり無く、操作性も良好なので安心して遊べる一本に仕上がっている。そして、このゲームを語る上で欠かせないのが「サイキック・ストーム」と呼ばれる自機を変身させるシステムである。この変身システムは一定時間無敵になることが出来(敵の攻撃を受けるとライフは減らないが制限時間が減る)攻撃力もアップするというもので、4種類の機体でそれぞれ違った形態に変形する事が出来る。この変身は機体ごとに一長一短があり、それぞれのステージに合わせて機体を選択する必要がある。また、2人同時プレイの際は一方が変身するともう一方の機体は変身した機体に取り込まれ砲台として敵を攻撃する事が出来、これも意外と盛り上がるアイデアなので友人が遊びに来た時などにお薦めである。このように見掛けで判断すると損をする本作だが、テレネットらしい点も随所に見る事が出来る。例えば仰々しい設定を構築したにも関わらず、それらの設定をゲーム内で全く生かしていない点やどうしようもないセリフ回しなどは日本テレネットならでは。このミスマッチな取り合わせこそが本作の魅力なのかも知れない。 サイバーコア 昆虫に支配された地球を取り戻すという設定のシューティング。敵の昆虫の描写が秀逸で、リアルさと共にカッコ良さも兼ね備えている。ゲームスタイルは「ツインビー」と同じく対地対空弾で敵を倒していくというものだが、「ツインビー」よりも対地攻撃が重要となっている。ボスにも対地弾でしか倒せない奴がいるぐらいである。このお陰で普通のSTGとはプレイ感が随分違うので一度遊んでみて欲しい。あと、このゲームにはもう一つ大きなウリがある。パッケージにも書いてある「メタモルフォーゼ」である。自機は4色あるアイテムを取ることにより4種類のメタモルフォーゼ(変形)を行い、同じ色のアイテムを取り続ける事で自機は4段階に成長し、違う色のアイテムを取ってしまうと取った色の第2段階のフォーメーションに戻ってしまうのである。アイテムはアイテム・キャリーという昆虫に弾を当てる事で画面内に登場させることが出来るのだが、アイテムは1つずつ順番に出てくるので自分の欲しいアイテムが常に手に入るとは限らない。これがくせ者で、なかなか思い通りに成長出来ない上、アイテムをみすみす素通りしなければならなかったりする。この辺りを如何に工夫してパワーアップしていくかというのもこのゲームの醍醐味の一つであろう。成長すると自機がデカくなりすぎて弾に当たり易くなるというお粗末な部分もあるが、全体的に見ると巧く纏まっている。あまり話題に上るようなソフトではないが、知る人ぞ知る秀作ゲームである。 ダウンロード2 PCエンジンオリジナルシューティングの中では相当レベルが高い作品。よくある横スクロールシューティングで、プレイヤーは4種類の武器を使い分けながらゲームを進めていく。前作の正当な続編だが、多重スクロールや巨大ボスのスムーズな動き、背景の美しさなどは技術力の高さを物語っており、シューティングゲームとしての完成度は前作を遥かに凌ぐものとなっている。しかし、難点がこのシューティング面以外にあるのだ。それはステージ間に挿入されるアニメーションの演出面での退化。本作のストーリーはというと、コンピュータネットワーク上で発生する事件をサイコ・ダイバー(電脳空間で活動する事が出来る特殊工作員)シドがモトローダというメカにのって解決していくというもので、当時としてはかなり斬新な設定だったといえる。前作ではこの設定をHuカードとは思えない素晴らしい演出で盛り上げていたのだが、本作はCD-ROMになったにも関わらず、演出の悪さによりこの面白い設定を台無しにしてしまっている。個人的に言わせてもらうと、キャラデザやストーリー展開でも前作の方が優れていると思う。ただ、これは比較論なので欠点とは言い難いが、前作をプレイしたことがある人は注意が必要である。前作の凄まじい難易度を突破できる人には前作の方がお薦めかもしれない。 ダブルリング 数々の名作ソフトをPCエンジン市場に送り出したナグザットから発売された本作、非常に地味だが丁寧に作られているなあという印象を受ける。殆どオリジナル要素はないが、高速ステージや超巨大ボスなどSTGのお約束をきちんと取り入れている辺りは流石ナグザットといった感じである。他にも大半のステージにおいて画面の上下にさらにフィールドが広がっていて、1つのステージがかなり広い。その為、同じステージであってもプレイする時の気分によって全く違ったものと化す。また、自機も敵機もデザインセンスが良く、特に自機を囲んでいるリングのデザインは秀逸で、1度見たら忘れられないだろう。そして、このリングは抜群の性能を誇っており、大概の敵弾は見事に弾いてくれる。このリングのお陰で難易度はSTG下手にも丁度良い水準になっている(ボスがあっけないくらい弱いのは困りものだが)。マイナーではあるが、細部まで手を抜かずに完成度を高めたこのゲーム、メジャーなソフトとは違った素朴な味わいを楽しめる筈である。 超兄貴 最早、説明の必要も無いぐらい有名になってしまったこのソフト。発売当初は物凄いキワモノとして見られていたが、今となっては別にどうという事も無い。また、STG部分は驚く程普通で、少々拍子抜けしてしまうと思うので、バカゲーが好きな人も物足りなさを感じてしまうかも知れない。設定に見合った凄まじい演出や独創的なステージが欲しかったところである。ただ、10年以上前にこの怪しいノリをゲームに取り入れ、その世界観にマッチした抜群のインパクトを持つ音楽を生み出して多くの人々を魅了した功績は忘れてはならない(特に今でも葉山ミュージックの評価は高い)。そして、このソフトの人気の高さに触発されて「美食戦隊薔薇野郎」などの明かに狙って作られたバカゲーが市民権を得て(狙ってもいないのにバカゲーと呼ばれるゲームは昔からあったが)様々な機種で発売されるようになったというのは紛れもない事実である。そういった意味ではゲーム史に於て非常に重要な役割を担った作品と言えよう。しかし、後に色々な機種で発売された続編は2匹目のドジョウを狙う余り少々悪ノリが過ぎるように思えるのは私だけだろうか(特に実写バージョン)。何はともあれ、好き嫌いがはっきりと分かれるシリーズだと思うが、未プレイの人はこの初代をプレイして、その独特の雰囲気だけでも味わってみてもらい。 超時空要塞マクロス2036 アニメ版「マクロス」の第30話で登場したコミリア・マリア・ファリーナ・ジーナスが主人公のシューティングゲーム。STG部分は実にオーソドックスな作りでバルキリーも自由に変形させる事は出来ない(強制的に3段変形させられるだけ)。しかし、当時は本格的な「マクロス」の続編と呼べる作品はこの一作だけだったので、ファン必須のアイテムであった。マックスとミリアの娘マリアが主人公だったり、ブリタイがマリアの上官として出て来たり、実はカムジンが死んでいなかったり等、往年の「マクロス」ファンなら涙ものの設定は非常に魅力的であった。30年も経っているのに何の進歩もないバルキリーや「マクロス」のくせに歌が流れるシーンが全く無いといった不満点もあるが、BGMはアニメ版の楽曲をアレンジしており、オーソドックスながらも丁寧にバランス調整が行われているSTGに於て「マクロス」の物語を堪能するという一本筋が通った趣旨だけは読み取る事が出来る筈。シューティング部分も決して出来が悪い訳ではないので「マクロス」ファンでなくともストレスを感じることはないだろう。余談だが、2009年にマクロスが発進して1年程度かけて地球に戻って来た後、2年してマリアが生まれている訳だからマリアは2012年生まれという事になる。そうするとマリアは2036年で24歳…。終始子供っぽい仕草で統一されていたマリアに対する演出だが、もう少大人らしい雰囲気を持たせても良かったのではないだろうか。 DEAD
MOON 月世界の悪魔 パッケージも地味、ゲーム本編も地味、音楽も地味、全てが地味という言葉で表現できそうなこのゲーム、見た目だけで判断する少し損をする。意外にも本編はしっかり作られているのだ。3段階にレベルアップする4種類のメインウェポン・使用回数が制限されているボム・2種類のオプション、どれを取っても普通の横スクロールシューティングゲームの域を脱していないのだが、全体的に様々なファクターがバランス良く纏まっている。被弾すると武器レベルが1段階づつ低下していき、武器レベルが最低になった時に被弾すると残機を1つ失うシステムやボスとの戦闘では必ずボスに対面する形が取られるなど、割と面白い試みもあるのだが、いざプレイしてみるとそれ程斬新なイメージは無い。シューティングの核の部分のみを抽出してゲームにしたようなソフトである。勿論、操作性やゲームバランスなどといった初歩的なハードルは楽々とクリアしているので、ふとシンプルなSTGを楽しみたくなったら引っ張り出してきてもらいたい。 バルンバ ナムコらしい見た目はコミカルだが、中身はハードなシューティング。全方位対応型STGで縦・横・斜め、あらゆる方向にスクロールするという独特のスタイルを取っている。敵も360度あらゆる方向から現れ、それらを撃ち落とすべく自機の砲台も回転させて応戦しなければならない。この砲台の回転こそがこのゲームの命と言えるだろう。慣れるまでは少し難しいかもしれないが、コツさえ掴めれば回転させて敵を撃ち落とすのが快感になってくる。ウェポンは4種類あり、それぞれに対応したアイテム(時間によって次々と種類が変化する)を取ることでパワーアップしていく。1つのウェポンを使い続けるとウェポンレベルがダウンするというシステムなので、ボス戦に備えアイテムを取り分け、ウェポンを使い分ける事が非常に重要になってくる。見た目以上に戦略性の高いSTGと言えよう。ステージ毎に登場するボスにはそれぞれ違った弱点があり、その部分を集中的に攻撃して倒すというのも見事にシステムにマッチしていてイイ感じ。ナムコ初のPCエンジンオリジナルシューティングという事でマイナーながらも力の入った一作。 ファンタジーゾーン 様々な機種でリリースされているパステル調のほのぼのシューティング。オパオパという可愛らしい生き物を操作して、特定の敵(基地)を10個倒す事で大ボスが現れるという斬新なシステムのゲーム。カラフルな画面や軽妙なサウンドは女性ゲーマーにも非常に好評であった。フィールドがループしてるのもSTGとしては異例のステージ構成であろう。ボスも個性豊かで、プレイするだけでなく見ているだけでも楽しい作りになっている。また、このゲーム独特の要素としてショップでの買い物によってパワーアップするというシステムがある。1UPまでショップでお金を払って買わねばならないのはケチ臭い気もするが、逆に言えば根気よくプレイすれば必ず先に進めるという親切設計とも言える。なお、このPCエンジン版ではボスキャラ登場の際に画面切り替え無しで通常画面にボスを登場させることに成功しており、当時のNECアベニューの職人芸を垣間見る事も出来る。「スペースファンタジーゾーン」はお蔵入りになってしまったが、あのソフトがあれ程ユーザーの期待を集めたのも偏に元祖である本作のお陰なのではないだろうか。 フォゴットンワールド 業務用「ロストワールド」のPCエンジン移植作。「アベニューパッド3」とセットで発売された人間が空を飛ぶ珍しいシューティングである。このゲームの特徴は攻撃方向を360度変化させられる事で、右回り・左回り・ショットと3つのボタンが必要だった為、「アベニューパッド3」が必要だった訳である。当時は移植関係の仕事振りには定評のあったNECアベニューの移植という事もあり、操作性・バランスとも実に良好で、ストレスを感じる事なくゲームをプレイする事が出来る。ウリである360度回転もスムーズだし、ビジュアルに関してはアーケード版より美しいのではないかと思えるほど。移植の出来はほぼ満点と言って良いのでは無かろうか。今プレイするとキャラクターの動きや全体の雰囲気など、些か古さを感じる部分もあるが、根本にある独創的なアイデアやSTGゲームとしての流れは非常に面白いので、話の種にでも遊んでみて欲しいタイトルである。 ヘルファイヤーS PCエンジンならではの女の子がパイロットのシューティングだが、決して軟弱ギャルゲームではない。業務用からの移植作で、1ボタンで攻撃方向を前方・後方・上下・斜めの4方向に変えて、ステージを進んで行く。このゲームが素晴らしいと思える点は、このゲームウリである攻撃方向を自由に変えられるというシステムをユーザーに楽しんでもらえるよう工夫している点である。まず、ゲームスピードをかなり遅くする事でプレイヤーに余裕を持たせ、状況に応じて攻撃方向を変えるという意識を植え付け(例えば「はにいいんざすかい」は攻撃方向を変える気がしない)。攻撃方向を変えて撃つという事を楽しんでもらえるよう敵の出現位置も考え込まれている。普通にプレイしているだけで攻撃方向を1方向に絞って撃つよりも遥かに面白いという事が理解できるように作られているのである。また、STGというジャンルが下火になってきた頃にリリースされたという事で、STG本編以外の部分にも力が入っており、先に書いた女の子をパイロットにしてみたり、本格的に声優を起用して「スタジオぬえ」によるアニメーションを用意したりと、制作者側の工夫が見て取れるゲームでもある。 冒険男爵ドン サン=ハート編 パッケージイラストは中学の漫研部員レベルで、説明書も「ここだけの話だが地球空洞説は事実なのである」という頭の痛い文章で始まるバカゲーテイスト満点のこのゲーム、変な敵キャラ(特にボス)てんこ盛りの怪しいSTG部分とちょっとしたビジュアルシーンで構成されており、主人公のドン(スペイン貴族と上杉謙信の血を引いているらしい)がメロンピー軍団を倒すため、個性豊かな仲間達と世界中を冒険するという内容になっている。要のSTG部分はダメージ制のオーソドックスな横シューで、ハチャメチャな見た目とは裏腹に隙の無い作りになっている。ドンはステージに合わせて自機を乗り換えていくという少し変わった設定になっており、特殊武器も各ステージクリア後に濃い顔の仲間達が持ってきてくれたり、ボスを倒した後に手に入るシステムなので、ゲームを進めていくにつれプレイの幅がどんどん広がっていく、実に遊び応えのあるゲームと言える。ただ、難易度の高さがその面白さを阻んでいるという印象は否めない。休む間も無く次々と襲ってくる強力なザコに対して、自機は被弾すると耐久ゲージはもちろん、ウェポンレベルまで下がるという貧弱さで、後半は回復アイテムの出現も少なくなり、美しい背景やステージにマッチした軽妙なサウンドを楽しむなんてことは常人には絶対に不可能な難しさなのだ。EASYモードを用意するなど、もう少しきめ細かいバランス調整さえ行っておけば(せめて無限コンテニューにして欲しかった)優秀なバカゲーとして後世に名を残したであろう惜しい作品。もしかしたら「サン=ハート編」以降シリーズ化されていたかも? メタルストーカー この「メタルストーカー」は「タイムクルーズ」を除けば、FACE最後のソフトである。それゆえ完成度の方もFACE史上最高のものとなっている。このゲームはパッと見は極々普通のトップビューのSTGのようだが、実は強制スクロールしないという特徴を持っている。自分でマップ上を自由に動き回り、アイテムを集めながらステージクリアに必要な敵を倒していく「ダンジョンシューティング」という名称が最も相応しいのかも知れない。自機は八方向に動けるために弾も八方向に飛ぶ訳だが、機首固定も可能なので「はにいいにざすかい」のような操作の煩わしさもない。ゲームバランスや難易度も実に適当で、ステージ構成もバラエティに富んでおり、飽きるということはまず無いと言える。ただ、自機の使える4種類の武器のうち、最初に使用可能な武器の使い勝手がイイため、他の武器の必要性を余り感じなかったのには少々寂しい印象を受けた。他にもステージクリアの条件が明確にされない為、どうやったらクリア出来るのか分かり難い面があるなど、多少粗さも目立つが、他に類を見ない独創的なゲームなので是非押さえておきたい一本である。 |