ロールプレイングゲーム(S級)

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イース1・2

PCエンジンを代表するA・RPG。この作品がなければCD-ROM2機の普及はありえなかったであろうと言われる程の出来である。完全移植などという生易しいものではない。はっきり言ってパソコン版より上。心配されたビジュアルもパソコン版より美しくなっているような気がするし、何といっても魅力的なキャラクターがよく喋る。ゲームと直接関係ない声という要素がこれほど重要なものかと認識させてくれた。まさに言う事なしの出来。レベルは普通にプレイしてれば自然に上がるし、スピーディに物語は進む。半キャラずらし(攻撃するときのコツ)でザコは何とかなるので全体のテンポも良いのだが、要所を固めるボスはなかなか歯応えがあってメリハリも効いている。この辺りのバランスも十分に計算し尽くされた良作である。また、ファルコム作品全てに言えることだが、兎に角BGMが素晴らしい。何とも言えないような美しい音色で我々プレイヤーを魅了してくれるのだ。続編の3に関しては様々な意見があると思うが、個人的にはお薦めしない。4に関しては斜め移動が出来るようになる等、多少の変更点はあるものの基本的に雰囲気は変わっていないのだが(キャラサイズが大きくなったからかスピード感がなくなってしまった)ハドソン色が強くなり過ぎているのでイマイチお薦めできない(BGMとグラフィックは高いクオリティを保っている)。つまり、どれだけシリーズが進もうとも本作を超えるソフトはなかなか出て来ないという事であり、このゲームがプレイできるだけでもPCエンジンユーザーは幸せなのである。

エメラルドドラゴン

このゲームほど、移植の素晴らしさを感じたゲームも無い。元々は有名なパソコンゲームなのだが、パソゲーにありがちなバランスの悪さをPCエンジン版では完璧に修正してある。「バカなタムリン修正済み」とは良く言ったものである。ストーリーはほぼパソコン版の完全移植で、キャラデザも木村明広のままなので、外見は殆ど変化が無いように見えるのだが、中味は全く違うゲームと言って良いほど修正が加えられている。パソコン版から継承されている戦闘システムは少々時間が掛かりすぎる気もするが、それもバランス調整済みなのでイライラさせられる事もない。エンカウント率が低く抑えてあるにも関わらずレベルアップの為の経験値稼ぎをわざわざする必要がないのは見事な仕事である。また、PCエンジン版ではビジュアルシーンがバリバリ動くし、個性豊かなキャラクター達が喋るというのも嬉しい限りである。このように良いところを挙げたらキリがないのだが、その一方で元のゲームを踏襲せざるを得ないストーリー構成には多少の不満も残る。パーティ編成がすぐ変わるのは何だか落ち着きがないし、死ななくてもイイ場面でやたら仲間が死んでしまうのには閉口させられる。この辺りが移植作品の限界という気もするが、それでもPCエンジンユーザーなら一度はプレイしておきたい名作である。

ダンジョンエクスプローラー

このゲームはPCエンジンユーザーが誇る事の出来る数少ないソフトの一つである。5人同時プレイが可能なアクションRPGで、ゲームの概要は5人がそれぞれ異なった職業に就いて地下に広がるダンジョンを冒険するというもの。5人で遊ぶと本当にファンタジーの世界に入ったような気分を味わう事が出来る。臆病なファイター・自分だけ回復するビショップ・勝手気ままに走り回るシーフなど、操作するプレイヤーの個性も顕著に現われ、兎に角プレイしていて楽しいのである。また、ゲームバランスも絶妙で、クリアするまでのプレイ時間も2〜3時間と、5人で遊ぶには丁度良い。まさに多人数で遊ぶことを前提に作られたソフトであり、それだけに毎回違う物語に出会える実に贅沢なゲームと言えよう。別に1人で遊んでも良いのだが、この作品の本当の魅力を味わいたければ、何とか5人の友達を集めて遊んで欲しい。

天外魔境2 卍MARU

この作品ほど私にゲームの素晴らしさを教えてくれたゲームは存在しなかったし、恐らく今後も出現しないであろう。2000枚以上の動画、24名もの豪華声優陣、久石譲作曲を含む全80曲ものBGM、約400種の敵キャラ、69回ものボスバトル、3000人以上の登場人物、マップ総数20000画面、30種類の乗り物…等々、当時としては桁外れのこれらの要素はあくまでオプションである。「天外2」の魅力の一部を示す数字に過ぎない。それでは「天外2」の本質は何かというと、それは広範な意味でのエンターテイメントではなかろうか。夫々何らかのトラウマを抱えている個性豊かなパーティキャラクター、各々自分のポリシーを持ち、勇者たちとは逆に感情をストレートに表現する敵キャラクターたち、そして緻密な計算の上に成り立っている膨大な数のイベントと思わず唸ってしまう程絶妙なゲームバランス…全てが我々を心から楽しませてくれる。映画にしろアニメにしろ人間をきちんと描いてそれを動かすという事が一番難しく、逆に言えばそれさえ出来れば作品の成功は約束されたようなものであり、ゲームに於ても同じ事が言えると思うのだが、この「天外2」は見事にその水準をクリアしている。また、気紛れなユーザーを無理なく管理して完成度の高い物語を完成させ、我々を楽しませてくれる「天外2」は最早芸術と言えるだろう。ゲームが娯楽から文化になり得ることを証明してみせた作品であり、ゲーム史に燦然と輝く金字塔である。ちなみに筆者は50回以上プレイしている。

「エンジな人の天外2公式記録」
最低クリア段:55段 最低クリア時間:16時間47分 絹を仲間にした時の最高段:80段

天使の詩2 堕天使の選択

前作は音楽が素敵な普通の純愛RPG。しかし、本作は一気に名作への階段を駆け上った。システム面では特に何も目新しいものは無い。勿論、操作性やゲームバランスの方は良好なのだが、もう少し何か新しい要素があっても良かったかなとも思う。しかし、ゲームをプレイしていくうちに、そのような些細な事はどうでも良くなってくる。この洗練された物語を堪能するのがゲームの本質であり、システムや戦闘部分はあくまで付属物であるという事に気付くのである。「ケルト神話」をモチーフとした天使と人間との愛を描くストーリーとそれぞれ信念をもって行動する個性豊かなキャラクターが本当に魅力的で、プレイヤーはゲームの世界にぐいぐい引き込まれていく。前作をプレイしている人だけに分かるケアルとクレアの悲しい運命を始め、数々の個性的キャラクターたちが織り成す悲しくも美しいドラマ、そしてフェイトとリアーナの不滅の愛、これ程までに人を引き付けるRPGが嘗てあっただろうか。そして、この卓越した物語を盛り上げる音楽は前作同様、北欧をイメージした哀しくも美しい旋律で、ビジュアルシーンでは結城信輝の描く(1のキャラデザは富士宏)キャラクターが実に活き活きと動いている。また、ゲームと通して数多くの隠しアイテムや仕掛けが用意されており、そういったやり込み要素の面でも優れた作品になっているのもファンにとっては嬉しいところ。PCエンジンユーザーならば是非ともプレイし、そして涙して欲しい一作である。

Linda3

PCエンジン界では非常に有名なカリスマクリエーター桝田省治と岩崎啓眞の超強力タッグが作り上げたオリジナル作品。その実力は「天外2」や「エメドラ」で証明済みだが、この作品は前2作とはまた違った魅力が付け加えられている。それを何と表現するかはかなり色々な意見があるだろうが、敢えて言うなら「子供にお薦めできない」少しダークな魅力が詰まっている。ここで言う子供とは文字通りの子供だけではなく、精神的に幼い者も含まれており、このゲームの魅力は大人でないと理解出来ないという事。グロテスクとかエロティックなどという単純なものではなく、ゲームの雰囲気全てがどこか異様で穏やかではないのである。ゲームシステム自体は何ら新しいものはなく、どちらかというと従来のRPGのシステムをより使い易くしたものという印象を受ける。では、何が異様かというと、それはゲームに特に何も目的が設定されていないという点である。勿論、動物を集めて箱舟を発進させるという目的があることはあるのだが、お約束の悪はいないし、星を死滅させる隕石も止められない。それどころか、救うべき人達もおらず、登場人物は全て死をきちんと見つめて覚悟を決めているんだから、存在意義をはっきりと提示されないプレイヤーは戸惑うばかりである。こう書くと何だかとてもつまらないゲームのように思われるかも知れないが、表面上は決してそういう訳ではない。まず、先に書いた動物集めがかなり面白い。様々な実在の動物(ビジュアル的にはかなり実物と異なるが)を捕えるのだが、その動物から食肉や装備品を作ったり、金を得るために売り飛ばすなど、まさにやりたい放題だが、その分頭を使ってゲームを進行させねばならない。この辺りが類似品の「ポケモン」との決定的な違いであろう。そして、何より特筆すべきはリンダという女性の存在。従来RPGにあるチープな恋ではなく、本気で主人公を愛してくれている女性、それがタイトルにもなっているリンダなのである。先に書いた戸惑うプレイヤーとこのリンダという女性との心の触れ合い及び2人を襲う数々の試練こそが、この作品の核であり、全てと言っても過言ではない(あくまで動物集めはオマケ)。「天外2」が陽の頂点だとすると、このゲームは陰の頂点なのである。


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